対象製品型式:
サンプリング機能を有するアナログ入出力デバイス(以下、「対象製品」と称します)
ただし、下記製品を除きます。
・Zシリーズ:AI-1204Z-PCI, AI-1204Z-PE
・AI-1604CI2-PCI (*)
なおデバイスの不良が疑われる場合、その切り分けとしては下記FAQ内容をご確認ください。
・設定可能な入力電圧レンジ内で電圧測定が正しく行えません。動作確認方法を知りたい。
https://faq.contec.com/faq/show/63/
■ 現象について
対象製品においては、複数チャネルのサンプリングを行う場合、
デバイス内でマルチプレクサによるチャネル切り替えが行われます。
マルチプレクサが切り替わる際には、
マルチプレクサ部の寄生容量に対する充放電による電圧変動(過渡現象)が発生します。
この電圧の変動は、「信号源の出力インピーダンスが高い」場合にこの充放電時間が長くなるため、
チャネル切り替えタイミングから信号源の出力電圧が所定の電圧に戻るまでの時間(セトリング時間)
が必要となります。
従って、下記場合においては観測データに影響し、掲題の現象が発生します。
- セトリング時間が変換速度(チャネル切り替え時間)よりも長い場合
- 過渡現象による電圧変動がアナログ入力デバイスの変換精度を超える場合
以下、対象製品のアナログ入力回路イメージを示します。
■ 対象製品においての事例と対策
(下記の「ADA16-8/2(LPCI)L」は一例であり、他の対象製品においても同様です)
【事例】
使用アナログ入力デバイス:
ADA16-8/2(LPCI)L に対し、
入力のch0とch1に下記の信号源を接続、
・出力抵抗の低い信号源A(リチウムイオンバッテリ)
・バッテリと直列に10kオームの抵抗を挿入した信号源B
2チャネルサンプリングを行った場合のチャネル切り替え時の過渡現象を観測した結果を示します。
【対策】
下記の [1.] [2.]が考えられます。
[1.] スキャンクロック(チャネル切り替え時間)(※) を長くする。
但し以下の制限事項があります。
・サンプリングクロックとスキャンクロックの間には以下の関係が必要です。
サンプリングクロック ≧ スキャンクロック × サンプリングするチャネル数
・スキャンクロックが固定(変更不可)デバイスの場合は、本対策は不可となります。
・スキャンクロック設定値を大きくする(長くする)ことでその影響を避けることは可能ですが、
スキャンクロック周期で発生するノイズ自体を低減することはできません。
(※)
スキャンクロックについては、下記FAQをご参照下さい。
・サンプリングクロックとスキャンクロックの違いは何ですか?
https://faq.contec.com/faq/show/65/
[2.] 信号源とアナログ入力端子の間に、バッファアンプを挿入する。
下記オプション製品を接続することにより、チャネル切り替え時の信号源に及ぼす影響を回避できます。
・アナログ入力ボード用バッファアンプ機能増設ボックス
- Fシリーズ用 :ATBA-32F ATBA-8F
- Gシリーズ用 :ATBA-16E ATBA-32F ATBA-8F
- Lシリーズ用 :ATBA-16L ATBA-8L
- Eシリーズ用 :ATBA-16E
参考情報:
バッファアンプ機能増設ボックスには、
インピーダンス変換のための「ボルテージフォロワ回路」が組み込まれています。
このバッファアンプを経由することにより、「出力インピーダンスが高い信号源(FAQの信号源B)」
を「出力インピーダンスが低い信号源(FAQの信号源A)」 に変換、
マルチプレクサのチャネル切替えによる影響を回避することが可能です。
補足情報:
これら製品については、マルチプレクサ前段に上述のバッファアンプ相当が挿入されている為、
本FAQ現象は発生しません。
なお、製品マニュアルに記載の「ブロック図」より、
同内容の「Amplifer」「Buffer Amplifer」がバッファアンプに相当します。