• No : 1989
  • 公開日時 : 2020/06/19 16:49
  • 更新日時 : 2025/05/08 14:51
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アナログ入出力デバイスの精度について

・アナログ入出力デバイスの精度を知りたい
・アナログ入出力デバイスの誤差はどのくらいですか?
カテゴリー : 

回答

対象製品型式:
 すべてのアナログ入出力デバイス
 
関連情報:
 該当製品のデータシート、およびマニュアルの「仕様」欄に記載の「非直線性誤差」 が精度に該当します。
 参考情報:
  ・仕様に記述されているLSBとは何ですか?
    https://faq.contec.com/faq/show/2305
  ・変換精度とは
    https://www.contec.com/jp/support/basic-knowledge/daq-control/analog-io/#anc-14
 
 ■ [例1]:AIO-160802AY-USBの場合
  AIO-160802AY-USB:製品紹介ページ
  上記リンク先URLのデータシート「仕様」より
  - 非直線性誤差 *1:±12LSB
   *1 非直線性誤差は周囲温度が0℃, 50℃の場合、最大レンジの0.1%程度の誤差が生じることがあります。
  - 入力レンジ: バイポーラ ±10[V]
 
  本製品の精度の計算式は下記となります。
  - 分解能:16Bit
  - レンジ:±10[V](本製品の場合、レンジ固定)→レンジ幅:20[V]
  よって、
  1LSB は 20[V] / 65536 ≒ 0.00030517578125[V] = 0.30517578125[mV]
  ±12LSB = 0.30517578125 x12 ≒ ±3.6621 ≒ ±3.66[mV] が精度(誤差範囲)となります。
  上記より、5.0[V]の入力に対し、5.0±3.66[mV]。
  即ち、4.99634[V]~5.00366[V]の精度で計測されます。
 
以下、上記 [例1] の内容を踏まえての例となります。 
 ■ [例2]:12bit分解能のデバイスの場合
  非直線性誤差: ±3LSB とすると、±10Vレンジの場合
  1LSB は 20[V] / 4096 ≒ 0.0048828125[V] = 4.8828125[mV]
  ±3LSB ≒ ±14.6484375 ≒ ±14.65[mV]
 
 ■ [例3]:16bit分解能のデバイスの場合
  ±3LSB ≒ ±0.915525 ≒ ±0.92[mV] (入力レンジ設定 ±10V の場合)
  ±5LSB ≒ ±1.525875 ≒ ±1.53[mV] (入力レンジ設定 ±10V の場合)
  ±8LSB ≒ ±2.4414 ≒ ±2.44[mV] (入力レンジ設定 ±10V の場合)
  ±15LSB ≒ ±4.5776 ≒ ±4.58[mV] (入力レンジ設定 ±10V の場合)
 
 ■ [例4]:AI-1608AIN-USBの場合(電流計測デバイス)
  AI-1608AIN-USB:製品紹介ページ
  上記リンク先URLのデータシート「仕様」より
  - 非直線性誤差 :±20LSB
  - 入力レンジ: 電流:0-20mA
  本製品の精度の計算式は下記となります。
  - 分解能:16Bit
  よって、
  1LSB は 20[mA] / 65536 ≒ 0.00030517578125[mA]
  ±20LSB = 0.00030517578125 x 20 ≒ ±0.0061[mA] が精度(誤差範囲)となります。

【補足説明】
 ■ 注記「*1」について
  [1] 「入力レンジの±0.1%程度」の誤差の意味:
   これは「±10[V]レンジ」→レンジ幅20[V]:20[V] x 0.1% = 0.02[V] = 20[mV]
   となり、±20mV程度の誤差があることを示します。
   LSB換算で計算すると、分解能65536の0.1%誤差 = 65536 x 0.1% = 65.536
   これを切り上げ計算:±66LSB。
   1LSB = 0.305175[mV] より、±66LSB ⇒ ±20.14155[mV]の誤差があることになります。
  [2]  ±0.1%程度の誤差が生じない温度範囲:
  ・非直線性誤差(例:±12LSB)は、25℃を基準としています。
  ・±0.1%(±66LSB)の誤差が生じるのは、周囲温度がMIN, MAX(例:0℃, 50℃)の環境です。
  ・上記以外の温度でも、温度による誤差の影響はありますが、明確な仕様基準はございません。
   ただしワーストの場合であっても、前述の±0.1%(±66LSB)を超えることはありません。
 
  その他のアナログ入出力デバイスにて同様の記載がある場合、考え方としては、上記と同様となります。